「おい、色味。おまえこのまま行くともう一年留年だぞ。」

「…まじですか?」
「嘘をつく必要がどこに有る。」
期末テストも終わって、後は冬休みを迎えるだけ。
そんな開放感に溢れた校舎の中で、おれは担任と向かい合ってかなりテンションの下がる話を持ちかけられていた。
正直いって、これはツライ。
「はぁ?頼むよ先生ー。そこんとこ、先生の権力でさー。オレ、情けなくて生きていけねぇよ−。」
「勉強しろ勉強。冬休み前日にお前のみで追試だ。」
「無理いうなよな。おれの脳みそ頭蓋骨ん中で飛んだり跳ねたりできるくらいしかないんだぜ?」

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